マシューズ不滅インクについて:特性・選定法・注意事項

 

(株)フェニックストレーディング

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フェニックストレーディング


米国マシューズ社製 速乾性 不滅インクには次のような種類があります。

1.種類
@ 練り状インク:
  1.自然乾燥と加熱乾燥 両用型
  2.自然乾燥型

A 液状インク:自然乾燥型・・顔料系
 
2.特長/特性
(1) インクの構成要素:INK COMPONENTS
練り状インクは「樹脂系接着剤」( RESIN )と、色素としての「顔料」( PIGMENT )、「展着剤」( VEHICLE )と、数種の溶剤(アルコール系)により配合された「溶剤」( SOLVENT ( THINNER ) )の四種により構成されています。
(A) 接着剤:RESIN
「樹脂系接着剤」としては「フェノールレジン」( PHENOL RESIN ) と「エポキシレジン」( EPOXY RESIN )とがありますが、一般的に「フェノールレジン」をベースにしたインクの方が接着力が強く、あらゆるケミカルレジスタンス等に優れた特性を有しています。マシューズインクは、この「フェノールレジンベースインク」(M-145 など)です。
(B) 色素:PIGMENT
練り状インクの色素は粉体状の「顔料」で、発色剤です。
(C) 展着剤:VEHICLE
樹脂と色素の両者を「練り状」に且つ「溶解状態」に保ち、その上顔料を固着させ、塗膜を形成する役割を持っています。 
 
(2) 接着のメカニズム:ADHESION METHOD
(A) 吸収/浸透:ABSORPTIONS/PENETRATION
「展着剤」( VEHICLE )がマーキング面を「攻撃」して「破壊」し、それから「色素」 ( PIGMENT ) が印刷面に喰い込んでマーキング面と一体となる「不滅部分」となります。
(B) 結合:BONDING
「展着剤」 ( VEHICLE ) は、樹脂 ( RESIN ) を残して蒸発し、色素をマーキング面に「結合」させ、強固な「固着」状態の塗膜を形成します。
 
(3) 「フェノールレジンベースインク」:PHENOL RESIN BASED INK (M-145 など)
マシューズインクが、あらゆる材質面に対する接着強度をはじめ、耐熱性、耐溶剤性、耐光性、耐全天候性、耐菌性、等あらゆるケミカルレジスタンス等において、群を抜いて極めて優れた特性を有しているのは、単に「フェノールレジンベースインク」であるという理由だけではありません。
 
(4) 「スペシャル ブレンデッド ヴィークル」:SPECIAL BLENDED VEHICLE
特殊インクの研究、開発、製造では群を抜いて世界最高水準の特異な技術を以って、常にトップクオリティーの厳選された原材料と、企業のトップシークレットである、数々のケミカルリキッドによる「スペシャルブレンデッドヴィークル」にその秘密があるからです。
 
(5) インクフィルムの「重合」:POLYMERIZATION
更に、その上に「マシューズ ハイテクインクラボラトリー」の、飽くなきトップハイクオリティーの追求精神をベースに、特異な技術により製造される、マシューズインクの独特の特性であるインクフィルムの「(酸化)重合」:POLYMERIZATIONにより、比類ない極めて優れた諸抵抗力、強固な接着力、耐摩擦性、耐摩耗性、耐溶剤性、耐油性、耐光性、耐全天候性、耐菌性、等が生まれるのです。
これはマシューズインクのみが持つ、マシューズが世界に誇る「不滅インク」です。
 
(6) 「揺変性:自己可液化特性インク」THIXOTROPY:SELF-SOLUBILITY
他社インクの欠点である、チューブや缶の中で溶剤が蒸発して、粘度が上がり硬(固)くなってしまったり、ニカワ状になったりして、無駄に捨てるようなことはありません。
容器の中で分離した状態になっても、かき混ぜると溶ける、「揺変性:自己可液化特性」を有する、マシューズインクのみが有する、特殊不滅インクです。
 
(7) 「米国MIL規格インク」:MEET MILL SPECIFICATIONS
マシューズインクは、数々の米国MIL規格やRETMA規格及びEIA規格に適合しております。
例:MIL 883, MIL-E-IE, MIL-STD-202, MIL-E-5272C (M-145)
 
(8) 「米国連邦規格:Federal Spec.」:AA208, AA208A, TT-I-1795, TT-I-1795A (アルコゾル)に適合
 
(9) RoHS適合インク: マシューズインクは全てRoHS適合です。
 
(10) MSDS:Material Safety Data Sheet は全てのインクに用意しております。
 
(11) マシューズインクは、チューブや缶を「侵蝕」する:
マシューズインクは、その強力な接着力特性により、軟質樹脂チューブや金属製缶などを「侵蝕」してしまうため、「蒸発防止型ハードポリエチレンボトル」( Vapor Barrier Polyethylene Bottle )入りとなっています。
このハードボトルの方が保管中に容器の中でのインクの乾燥が進行するのを防止且つ化学的変化の防止効果があります。
  
3.専用シンナー
マシューズインクには、それぞれ専用シンナーがあります。
機上乾燥が進んで、粘度が、鮮明マーキングのための「 適正粘度 」より上がった場合、 ごくわずかの専用シンナーを滴加して最適粘度に戻すためです。
他のシンナーやアルコール、クリーナーは、絶対に使用しないで下さい。
インクの諸基本特性:乾燥速度、乗り具合、付き具合、鮮明度、接着力、耐摩擦性、耐磨耗性、耐熱性、耐光性、耐天候性、耐溶剤性、などが損なわれます。
インク容器のラベルに専用シンナーのNo.が記載されております。
 
4.専用クリーナー
マシューズインク専用クリーナーは、それぞれインクごとにあります。ゴム版、インクロールやインク供給器、ワーク(被マーキング材)面のクリーニングや、マークを消す場合などにご使用下さい。
他の溶剤では、ゴムが侵される恐れがあります。
 
5.保管と有効期間
マシューズインクは、使用後必ずキャップをしっかり締めて、冷暗所に保管して下さい。
冷蔵庫(5℃くらい)で保管することにより化学的変化が少なく、有効期間が常温保管の倍になります。(詳細技術資料に記載)
*直射日光のあたる場所での保管は、インクの特性の劣化の進行を早めます。
 
6.容器形態
マシューズインク・シンナー・クリーナーは全て「蒸発防止型ハードポリエチレンボトル」( Vapor Barrier Polyethylene Bottle ) 入りです。
 
7.ゴム版、ゴムロール、インクロール、オフセットロールなどの材質
インクにより使用されるゴムの材質が指定されております。
指定された材質以外のゴムの場合侵蝕されたりします。それぞれインクのデータシート 「詳細技術資料」に記載されております。
また弊社製FENIXシリーズ各種マーキングマシンに使用するゴム版は、インクにより材質の使い分けがあります。「最高品質のゴム」を使用し、弊社独自開発の製法によるシャープな彫りこみの彫刻金型により高精度の、一字ごと交換自在の高カット精度の、且つ柔軟性をもたせるための「二層構造型」により、ワークの厚み・高さのバラつきを吸収して高鮮明なマーキング仕上がりを保証いたします。
 
8.色
マシューズインクにはそれぞれ多彩な標準色があります。また指定特色も受注生産をいたします(最低数量があります)
 
9.納期
基本的には「在庫完備・即納」体制をとっており、即日または翌日発送を原則としております。
 
10.無料サンプル
インクサンプルを無料で進呈いたします。
ワークをご送付いただければサンプルマーキングを行います。
 
11.適切なインクの選定法
求める諸条件により決定されます。
  • マーキング面の材質は?
  • マーキング面に油などの不純物はついているか?
  • 乾燥速度・・マーキング後どれくらいの時間(秒/分?)で、どれくらいの乾燥状態になっているべきか?ワーク同士が触れ合うとか、次工程でマーク面にどのような接触、摩擦などが加わるのか?など
  • 求める最終的な接着強度はどれくらいか?例えば「セロテープの剥離テスト」(ピーリングテスト)で取れないくらいか? 指で何回も擦る、など。
  • 耐溶剤性は? どんな溶剤か?どのような条件か? 超音波洗浄を受けるのか?
  • 耐ケミカル条件・・耐洗浄溶液性? 洗浄溶液はどんなものか?
    どの程度の強度を求めるか?
  • 耐油性は?どんな種類の油か?
  • 耐水性は? 耐光性は? 耐全天候性は?
  • 耐熱性は?何度か?時間は?熱源は?
  • 現在ご使用のマーキング機の構造は?練り状か、液状インクを使用する構造か?
    問題点は? メーカー名?
  • 現在ご使用のインクの問題点は? メーカー名? 型名は?
    求める条件により、自然乾燥用インクでよいか、加熱乾燥用インクでなければならないか、速乾性か、中乾性か、遅乾性か、練り状インクか、液状インクでよいか、がインクの選定になります。
    マシューズインク選定早見表」により適切なインクの選定を行います。数種のインクが選定されます。それぞれのインクの詳細な特性などを記した「データシート」(詳細技術資料)を別に用意してあります。
    最終的なインクの確定は、サンプルマーキングによる諸条件の確認により行われます。
    詳しくは当社までお問い合わせ下さい。
    問題解決のためご都合に合わせていつでも、どこにでもお伺いいたします。

12.ワーク・材質別の適切なインク選定の具体例
(1) ICなど、最強の接着強度と耐溶剤性が条件の場合・・・M-145
(2) 金属・樹脂・ガラス・セラミックなどで、耐溶剤性を求めない場合・・・M-615
(3) ゴムホース:加硫前・後・・・・・・M-156M-696M-348など
(4) PVCパイプ・・・・・・・・M-149M-249など
(5) ポリエチレン(パイプ)・・・M-615M-374など
これらは全て練り状インクですが、専用シンナーで液状に薄めて使用できます。
液状インクもあります・・アルコゾル/M-125R など
 
13.使用法・注意・・練り状インクの場合
(1) マーキング機に使用する場合:
インクは:@ 粉状の色素 A 練り状の接着剤 B 溶剤 の三種で構成されております。
保管中にこれらが分離しますので、インクを容器から取り出すごとに、必ず良く上下に十分かき混ぜてから取り出してください。
当社製及びマシューズ社製各種マーキング機に使用した場合に、インクの全ての特性が100パーセント生かされます。
他社製の捺印機にも使用できますが、構造により機上乾燥時間の違いなどにより専用シンナーの滴加の頻度が異なったりします。
 
(2) シンナーの滴加時期の見分け方:鮮明マーキングの条件
インクの乾燥は機上でシンナーの蒸発により刻々進行し、粘度が上がり転写効率が悪化しマークが薄くなったり、付き具合・乗りが悪くなります。
インクロールの円周にインクが十分付いているのに、仕上がりが薄くなってきた場合は、インクの中の溶剤が蒸発し、粘度が上がり「転写効率」が悪化し、ワーク面へのインクの付き・乗りが悪くなったことによります。このような場合にはインク専用のシンナーを適量インクロールに付けるか、供給器の中のインクの中に適量を滴加します。
また仕上がりが薄くなる前に、当社製FENIX-ハンドマーカー・FENIX-ミニマーカー・FENIX-200型・ FENIX-105型・機の場合、インクロールの円周のインクに軽く指で触れ指にかすかに粘り気を感じた時点で、ハンドマーカーの場合は「インクプレート」 上に、他の機種の場合は、インクロールの円周上に、シンナーを1〜3滴くらい付け、ゴム版をバッキングブロックごとはずし、マーキング動作を10回程度繰り返すことにより、シンナーがインクと十分混ざります。
 
(3) シンナーの滴加方法:
インク供給器の中のインクの残量によりシンナーの量が異なりますが、一回に入れる量は10滴以内くらいです。1回の量を少なくし、頻繁に入れてください。入れたときにインクとよくかき混ぜてください。
FENIX-ハンドマーカーの場合は「インクプレート上」に、FENIX-ミニマーカー・FENIX-200型・FENIX-105型・機の場合、インクロール上に直にシンナーを付けます。
小さなポリエチレン製スポイトにシンナーを入れ、少しずつ押し出しながら、左右に線を引くように1〜2滴くらいを付けてください。
ゴム版が貼り付けられているバッキングブロックをはずし、インクロール円周上のインク膜にシンナーが均一に溶け込むようマーキング動作を10回くらい行ってください。
シンナーが多すぎると、乾燥が遅くなり、仕上がりも不鮮明になり且つインクの特性が損なわれます。
シンナーを付け過ぎた(入れ過ぎた)場合は、そのまま空動作を繰り返しシンナーを蒸発させるか、ゴムロール上のインクを少し拭きとって、その分新しいインクを付け加えて空動作をさせます。

@ インクの粘度について:
インクの粘度は、マーキングに最適の状態で製造されますが、使用の際の蓋の開閉の繰り返しにより、容器の中のインクの溶剤がほんの少しづつ蒸発し、インクの粘度がわずかに上がります。蓋はその都度しっかり締めてください。
適量のインクの量により空動作をさせ、インクロール上のインクに軽く指で触れ、指に殆ど粘りを感じないくらいで、触れた指にインクが均一に付くくらいが「鮮明マーキング」の条件である「適切な粘度」です。
 
A ハンドスタンプ:手捺印の場合:
1. 練り状のままでの使用・・・
ガラスの板の上にゴムロールできわめて薄くインクを伸ばし、ゴム印の表面のみに均一にソフトタッチでインクを付け、印刷面にもソフトタッチで平行につけて印刷をします。
伸ばしたインクに軽く指で触れほんのわずか粘りを感じたら、専用シンナーの滴加時期です。なるべく頻繁に極少量を滴加して下さい。
2. 専用シンナーで液状にして使用する・・・
市販のスタンプパッドにインクを染み込ませて使用できます。
「グラビア方式」のマーキングにも使用できます。
 
14.インクの乾燥と接着強度について
自然乾燥の場合。インクの乾燥時間はインクにより異なります。またマーキングの濃さ:インク量:により異なります。更に、ワークの表面温度・湿気・材質・シンナー量・作業環境:温度・湿度・通風状態など:により異なります。
インクの乾燥は、中の溶剤の蒸発により乾燥が進行します。それと同時に、ベースとなっているレジンが空気中の酸素を吸収するケミカルリアクションである「重合」( POLYMERIZATION )により、接着力がより強固になるインクや、インク中の化学成分がワーク面に浸透して、より強い接着力を生み出すインクなどがあります。
自然乾燥型インクは、マーキング直後から溶剤の蒸発が始まり、乾燥が進行します。
乾燥促進について:
自然乾燥用インクでも、マーキング後の加熱により乾燥は促進されます。
またワークの「プリヒーティング」:ワークを暖める:により、ワーク面の湿気を取る効果や、ワーク面の温度によりマーク後のインクの乾燥促進の効果があります。
 
15.クリーニングについて
インクにはそれぞれ専用のクリーナーがあります(インクの「詳細技術資料」(データシート)に記載されています。)
クリーニング:マーキング後のゴム版・インクロール・供給器などのインクはその都度専用クリーナーで完全に清掃を行ってください。
インクの拭き取り残りがあると、古いインクが硬い粒状になっており、これが新しいインクの中に混じって、仕上がりを不鮮明にします。
またインク供給器の中に残っていると、新しいインクに混じって、ブレードとインク供給メタルロールの間に挟まって、インクフィルムの「筋」の原因になります。
作業終了後直ちにクリーニングを行わないと、インクによりゴムが侵されたりする恐れがあります。
 

注意事項:
(1)

古いインクと新しいインクを混ぜないで下さい。インクの特性が変化します。
インクは機上で空気に触れたりして、僅かながら化学的に変化をしております。
 

(2)

ゴム版・ゴムロールなどはシンナーに漬けておかないでください。材質が変化します。
ゴム版・インクロール・オフセットロールは、それぞれのインクに適合したゴム材質を使用してください(それぞれのインクのデータシートに記載されています)
 

(3)

異なったインク同士の混合はしないでください。インクの特性が損なわれます。



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